マスメディア批判・その4:亡国の徒

注目されていた消費税増税法案に反対票を投じた民主党議員は、鍵となる54名を超える57名でした。
その中心にいる小沢元代表は、民主党を離党して新党を立ち上げるかどうか、逡巡しているようですが、この状況を鑑みるに、
『老いたり、小沢一郎』
の感が否めません。10年前の彼であれば、採決の日に迅速な行動に出ていたことでしょう。彼の政治生命は風前の灯となったことを暗示しています。

さて、採決までの数日間、私は数多くの報道番組やバラエティ番組で小沢元代表を扱ったニュースを見ましたが、その感想は、
『おぞましい』
の一言です。
放送される番組、出演してコメントする評論家、新聞社の編集委員、テレビ局の論説委員の誰も彼もが、小沢元代表の過去の政治行動を論い、あれやこれやと批判していました。

彼らの主張をまとめると、

1. 小沢元代表は政党を創れば壊し、創れば壊した、単なる壊し屋。
2. 小沢元代表の周りは新人ばかりで、深く付き合えば誰もが離れて行く。 
3. 小沢元代表は消費税増税なしに、どうやって財政再建をするのか、具体的に提示していない。
4. 小沢元代表に従って反対票を投ずるのは、せいぜい30名から40名で、54名に届くはずがない。
5. これで、小沢代表の政治的影響力は大きく低下する。
6. たとえ反対の立場であっても、党の結論に従うのが民主主義。

といったもので、まるで事前に申し合わせていたかのように、異口同音の発言が相次ぎました。

彼らは、
『よほど、小沢元代表が憎いのだろうだろう』
『よほど、小沢元代表の政治生命を絶ちたいのだろう』
というのが、私の率直な感想で、寒気がするような嫌悪感を抱いたのです。

その理由を述べる前に、まず断って置きますが、以前にも書きましたように、個人的には小沢元代表は嫌いです。彼の政治手法が私の哲学に反し、彼の推し進めようとする政策が私の求める理想国家像と異なるからです。

しかし、個人的な感情と評価は別物、まして法的な処置については、厳正でなければなりません。それが、先の政治資金規正法違反とする、検察の捜査は明らかに異常な行為で、これは官僚組織の小沢元代表に対する宣戦布告とみるのが妥当でしょう。

なぜなら、官僚たちは、小沢元代表こそ、
『不倶戴天の敵』
だと捉えているからです。

民主党は、政権交代したあかつきには徹底的な行政改革を行い、官僚主導から政治主導に戻すと訴えて選挙に大勝しました。
その中心にいたのが小沢元代表です。ですから、小沢元代表に嫌疑を掛けて民主党人気を低下させ、政権交代を阻もうとしたのです。その限りにおいては、小沢元代表が主張していた『検察陰謀論』は的を射ていたと思います。

しかし、私に言わせれば、
『説明責任を果たさないお前が言うな』
ということになり、国民の大多数が同様に思ったことでしょう。事実は、検察=官僚側の陰謀だと思うのですが、それを主張しても聞き入れてもらえないのは、小沢元代表の自業自得とも言えるでしょう。

それでも、民主党が政権を獲ってしまい、このままでは自分たちの既得権益を侵されると焦った財務省を中心とする官僚側は、次善の策として、何としても小沢元代表の力を削ぎ、彼が権勢を振るえないようにしたいと考えました。
そこで検察と図り(検察も官僚です)本来は修正申告で済む話を大袈裟にし、またありもしない水谷建設や西松建設からの賄賂をでっち上げ(証拠不十分という意味)、あまつさえ検察官が調書を偽造するという暴挙にまで及びました。

もっとも、調書偽造は検事の個人的な犯罪で、財務省が関知していたとは思いませんが、ともかくこの機に乗じて、小沢元代表の政治生命を絶とうとまで画策しました。
結局は、法の正義が通り、不起訴となりましたが、この間散々マスコミを通じて、小沢元代表を叩いた効果から、検察審査会による裁判に持ち込まれました。
これで、事実上官僚側の勝利が確定しました。

本来、小沢元代表が権勢を振るうはずだった、鳩山首相時には、被疑者の身で動けず、売国奴・菅との代表争いには直接敗れ、嘘吐き・野田の時には、代理戦争で敗れ、結局民主党政権になってからは一度も力を振るうことなく、民主党を追われようとしているのです。
これこそが、財務省=官僚が描いた小沢封じだったのです。
小沢元代表の封じ込めに成功した官僚は、何一つ血を流すことなく、財務省の悲願だった消費税の増税に成功したという経緯です。

 
さて、こういった経緯を理解した上で、上記したくず共の主張に反論すると、

1.たしかに壊し屋の異名を付けられても仕方が無い面もありますが、戦後というスパン  
  で俯瞰すれば、いわゆる自民党一党独裁政権が約40年間も続いた訳ですから、政権交代可能な二大政党体制が確立するのにも、同じ程度の時間が必要ではないでしょうか。
  そう考えれば、今は過渡期であり、合従と分裂を繰り返しながら、あるべき姿に形付けられて行くのではないでしょうか。また、小沢元代表がその中心にいるのは、好意的に取れば、彼が信念を曲げず、妥協しないからではないでしょうか。

2.そう意味からすれば、小沢元代表から人が離れて行くことを、彼が悪者のように言っていますが、むしろ離れて行った者たちが変節していったとも考えられるのです。それを、一方的に小沢元代表ばかり批判するのは公平ではないでしょう。
  今回の件にしても、民主党は、
『消費税率は上げない』
と言って政権を獲ったのです。それを、嘘吐き・野田が首相になった途端、掌を返したように消費税率を上げると言い出したのです。
小沢と野田、いったいどちらの言い分が、筋が通っているのでしょうか?
それを、初心を貫徹し、最後まで反対を押し通して離党したら、小沢は壊し屋だと非難される。全く、常軌を逸しているとしか思えません。

まず、まともなのは、政治評論家では森田実氏、ジャーナリストでは田原総一郎氏、評論家・宮崎哲弥氏ぐらいで、後は有象無象の輩でした。

3.中には、小沢元代表の主張は正論と言いながら、財政再建の具体案がないと批判する者や、同じく正論と認めながら、対論である野田首相の批判はしないという不可思議な態度の者もいました。
  彼は、具体案は示しています。とにかく、公務員改革など徹底的な行政改革を行えば、
16兆円という埋蔵金が出るというものです。
こう言うと、反小沢元代表の連中は、
『結局、埋蔵金は無かったではないか』
という鬼の首を取ったように言いますが、実はそうではありません。
鳩山や菅、野田では、財務省を始めとする官僚組織の抵抗に対応することが出来なかった。つまり、
『改革を行ったが埋蔵金は無かった』
というのではなく、
『改革に手を付けることもなく、官僚に屈してしまった』
というのが真実なのです。
この真実に目を背け、埋蔵金は無かったと声高に言う連中は、つまるところ、財務省と結託して、とにかく小沢元代表を貶し、消費税増税法案を成立させたいという目的を共有しているしか思えません。

4.小沢元代表の力の衰えを力説したいだけの輩です。しかも、彼らは誰一人として、自分  
  の予想が外れたことを詫び、釈明した者がいません。その後も、何食わぬ顔で番組に出演し、
『ああだ、こうだ』
と、偉そうに論じています。厚顔無恥とはこのことです。

5.これに関しては、私も同意します。私は嫌いですが、稀代の政治家であったことは確かでしょう。ちょっと、誉め過ぎですが、少なくとも、ボンクラ・鳩山、売国奴・菅、嘘吐き・野田よりは、数段上の力量の持ち主でしたが、それを国民のために使うことなく、(もっとも、国民に尽くす気があったかどうかは不明ですが・・・・)財務省=官僚の手によって葬り去られたと言っても良いでしょう。

6.これは一見正論のようですが、はたしてそうでしょうか。確かに政権公約を具体化する過程で意見が対立したのなら、そう言えますが、政権公約を破棄し、全く逆の政策を推し進めようとしている執行部に対して、反旗を翻すのはむしろ当然のことで、それはつまり、党より国民との約束を重視している訳ですから、反対票を投じた議員こそ、民主主義を貫いていると言えます。

私は、
『小沢元代表を批判するな』
とは言いません。批判して結構ですし、批判されるべきでしょう。しかし、小沢元代表を批判するならば、野田首相は彼の二倍、三倍、いや十倍批判されてしかるべきです。

ちょっと、語弊あるかもれませんが、
仮に、例の陸山会の四億円、小沢元代表が賄賂で取得したものとしましょう。そして、上手く司直の手を逃れて無罪放免になったとします。
私は、それでも野田首相の方が遥かに罪深いと思います。
確かに、小沢元代表は刑事罰が相当で、野田首相には刑事的な罪はありません。しかし私は、平然と公約を破り、それはつまり国民との約束を破棄し、そればかりか正反対の政策を推し進めるのは、民主主義を冒涜するものであり、万死に値する罪深き所業と考えます。

もし、これを是とするなら、選挙のとき国民はいったい何を頼りにして、一票を入れたらよいのでしょうか。しかも、国民に信を問うことなく、任期満了まで政権を運営したら、日本国を滅亡に追い込むことだって有り得るでしょう。

極論ですが、どこかの国と戦争するかどうかが焦点になった選挙で、国民が、
『戦争はしない』
という選択をしたにも拘らず、政権を獲った途端、
『戦争開始』
となったら、貴方は許せますか?

もちろん、戦争と消費税を同列に扱うことはできません。しかし、消費税でこのような事態になるということは、その延長線上に確かに存在する『戦争』という命題に突き当たる可能性はあるのです。
消費税と戦争という命題の間にどれくらいの距離があり、どれほどの高い壁があるかはわかりませんが、すくなくとも消費税という命題のときに、民主主義の原点を死守することは肝要だと思います。

そういう意味では、野田首相を始め、民主党執行部、消費税増税に賛成の民主党議員、マスメディア、小沢元代表のみを非難する評論家諸氏は、すべからく『亡国の徒』だと言わざるを得ません。

ロンドン五輪・その1:メダル予想

ついに、ロンドン・オリンピックまで一ヶ月を切りました。
各局特番のMCなども決まり、いよいよ五輪もモードに入った感が強くなってきましたね。
ついこの間、北京五輪があったと思ったのに、もうロンドン五輪です。年を取ると、光陰矢の如し、を実感します。
ともかく、今回は私なりに日本人選手のメダル獲得、それも金メダルの獲得予想をして見たいと思います。

私は、昔は大のトラキチ、今は熱狂的なサッカーファンですが、スポーツは全般に好きで、しかも、プロとか代表クラスだけでなく、大学、高校はもちろん、全中や全小の大会でも、中継があれば録画してでも観ています。小学生のときから注目していた金の卵が、順調に成長して過程を見て行くのも、なかなかに楽しいものではあります。
そして、このメダル予想もまたしかりです。

さて、日本人選手、チームの金メダル候補ですが、30%以上の可能性がある種目を列記してみます。(ただし、柔道のみ50%以上)

【競泳】                     可能性
男子・100M平泳ぎ 北島康介        70%
   ・200M平泳ぎ  〃            90%  
   ・100M背泳ぎ 入江           30%
   ・200M背泳ぎ  〃            80%

ダーレ・オーエンの不幸な死により、北島の100Mの金も可能性が高まりました。順調に行けば、3大会連続の2冠達成で、国民栄誉賞・受賞の運びとなるでしょう。

入江は、泳ぎだけは前回大会の時点ですでに世界一なのですが、なにせメンタルが脆弱。しかも、スタートやターン時のバサロが苦手なことは分かっているのだから、なんで強化しないのかが分からない。このバサロだけで、半身長ほど損をしているので、100Mでは1.5M、200Mでは3Mの損をしている。これが半分になるだけで、100Mの金メダルも確実となるのに・・・・実に惜しい。

【柔道】

 男子・66kg級   海老沼 匡    70% 
   ・73kg級   中矢  力    50%
   ・100kg級  穴井 隆将    80%
 
 女子・48kg級   福見 友子    80%
    ・52kg級   中村 美里    70% 
    ・57kg級   松本  薫    70%
    ・63kg級   上野 順恵    60%

 柔道は論評しなくても良いでしょう。当然、男女とももっと金メダルが取れる可能性も 
 ありますし、男子は最悪0個の可能性もあります。
 男女合わせて、3個~8個の範囲だと思います。

『レスリング』

 男子・フリー66kg級 米満 達弘  50%

 女子・48kg級 小原日登美     60%
    ・55kg級 吉田沙保里     90%
    ・63kg級 伊調  馨     80% 

 男子は何年振りでしょうか? 可能性は五分五分と見ます。
女子の吉田と伊調は、まず問題ないと思います。小原の場合、世界選手権の実績は申し分ないのですが、31歳という年齢と、減量の負担がどこまで影響するかが鍵でしょう。

【体操】

 男子・個人総合 内村 航平         90%
    ・団体                 40%

 個人総合の内村は故障、落下などが無ければ金メダル確実。落下にしても、一度だけなら金メダルが取れるくらいの実力差有り。
 団体は中国と拮抗しており、やや中国が優勢。当たり前ですが、ミスの少ない方が金メダルでしょう。

【陸上】

 男子・ハンマー投げ 室伏 広治       50%
    ・やり投げ   ディーン元気      30%

直近の世界選手権・金メダルの室伏は、ひとえに体調次第で、良ければ金を取れると思います。
男子やり投げのディーン・元気は、今まさに伸び盛りなので、奇跡の一投に期待です。

【サッカー】

男子       30%
女子       50%

男子の30%は、かなり下駄を履かせました、実際は5%ぐらいで、大会中に奇跡的な大成長があれば、30%といったところしょう。もっとも、大成長の可能性は無きにしも非ず、と考えます。

最近の日本サッカーの昇竜の如き躍進は、こういうところにも現れていて、最終メンバーの18名に何人選出されるか分かりませんが、可能性の高いメンバーの中には、すでに指宿、宇佐美、宮市、酒井高、大津の欧州組がいて、さらに今夏に清武と酒井宏がドイツのクラブへの移籍を果たしています。U-23のカテゴリーにもかかわらず、実に7名が欧州のクラブ所属なのです。

しかも、この前線の5人のうちの4人と、両SBの2人、合わせて6人は、そのままスタメンに顔を連ねてもおかしくないメンバーで、2年のブラジルW杯の日本代表に選ばれる可能性が高い面子でもあります。
つまり、日本期待の若手であり、世界も才能を認めた選手たちですから、大会中にその才能に磨きが掛かり、大成長をしてもおかしくないのです。

もっとも、本来資格のある香川や、オーバーエイジ枠で細貝か長谷部か 遠藤、本田あたりが選ばれていれば、大成長がなくても30%ぐらいはあったでしょうが・・・・。むろん、彼らの多くは所属クラブでの活躍が最優先ですので、代表洩れは当然です。

女子の場合、米国との実力は全くの互角と見ています。W杯決勝にも劣らない、もの凄い試合になるでしょう。日本が勝つなら、2-1、3-2の僅差、延長戦も有り、PK戦も有り得ます。米国が勝つなら、1-3、1-4のスコア的には大差になるでしょうね。

【ヨット】

女子・470級 近藤・田畑     30%

このチームは、現在世界ランク1位です。しかし、私はこの競技に詳しくありませんので、ランク1位というのがどの程度の信憑性というか、信頼性というか、金メダルへ直結する可能性があるのか、判断しかねますので、30%と控えめにしました。

【その他】

アーチェリーや射撃は、その日の調子次第で、一発大逆転も有り得る競技ですから、金メダルが1.2個取れるという嬉しい誤算があるやもしれません。特に、男子射撃の松田は一昨年の世界選手権で2冠となっていますので、期待できます。
 また、男子トランポリンやお笑い芸人の静ちゃんで注目を浴びた、新種目である女子ボクシングで、大化けがあるかもしれません。

 
【結論】

金メダルは11個~14個。

  可能性70%以上をほぼ確実として、11個と予想します。これは最低ラインとも言える数字で、最大は50%以上の17個+αということになりますが、そうそう上手く行くはずがありまんので、中を取って、最大は14個と予想します。

 我ながら、無難な予想をしてしまいました。

マドンナ・大学編・その1

私は大学入学と同時に、師の寺院に寄宿していましたが、都合により離れた期間があったことは、以前に書きました。理由は、檀家や知人からのクレームだったのですが、実は2度あったのです。

マドンナと出会ったのは、その2度目のときでした。当時、私は数百万円という金を所有していましたので、部屋は大学前の、本通りにある喫茶店の2階に借りました。大学まで、徒歩2分という便利な場所でした。本来、その喫茶店の経営者が借りて住むように出来ていたのですが、喫茶店のオーナーはすでに家を購入していたので、空き家となっていたのです。

2DK、風呂、トイレ付きで、当時の相場で家賃は、月額5万5千円でした。六畳二間でしたので、十分な広さだったのですが、そこにある居候が転がり込んできたのです。
その男、M・Yはある事情があって、親に勘当され、金銭的な援助が期待できないので、私に縋り付いてきたのです。

私の方も、多分3,4ヶ月、長くても半年のことだと思っていましたので、仕方なく居候を認めたのですが、それがもう、アルバイトはしていたようですが、貧乏極まりなかったので、二人でいるときは全て私の奢りでした。

喫茶店、ゲームセンター、ボーリング、食事等々、とにかく私にたかるのです。まるで、ヒモ状態でした。(私にその気はありません)
M・Yは非常にハンサムな男でした。以前書いた大親友・Aと比べても遜色がなかったほどです。あらためて思い出してみると、私の周りには美男美女が多かったように思います。

ともかく、ある日そのM・Yが私に、
『安岡、もの凄い可愛い女性を見つけた。お前も一緒に見に行かないか』
と、仰々しく言うのです。
当時、私は女性に興味がありませんでした。そう言うと、変な風に誤解されそうですが、そうではなく、毎朝5時に起きて、師の寺院へ赴き、庭掃除など一切合財の雑用を済ませてから、大学の授業(語学とゼミのみですが)に出て、授業が終わると、また師の寺院に戻り、薫陶を受けるといった生活をしていたものですから、女性とデートをする暇がなかったのです。

いや、暇ならどうにでも作り出すことが出来たでしょうが、少々大袈裟に言えば、
『師の下で生活をする大学の4年間、己の精進次第で先の人生が決まる』
と、真剣に考えていましたので、女性に現を抜かすことなど言語道断だったのです。

ですから、
『興味ない』
と、けんもほろろに断りました。
ところが、M・Yはしつこく誘うものですから、一度だけと思い、誘いに応じたのでした。

その喫茶店・Gは、大学本通りから1本北の筋の、住宅が建ち並んだ、どん突きにありました。私の住んでいる場所からすぐ裏手になるのですが、なにせ住宅街ですので、とても喫茶店があるとは思えない場所でした。

『こんな辺鄙なところに喫茶店が?』
M・Yの話によると、大変に流行っている店だと言うことなので、彼の言う『可愛い女性』というのは、よほどの女性なのだろうと想像しました。

橋下徹・大阪市長と原子力政策

国政が一気に混沌としてきました。

私はまだ懐疑的なのですが、予想に反して、どうやら小沢元代表が民主党を離党し、新党を立ち上げそうな情勢です。

鍵は、造反組が54名を超えるかどうかですが、この話題については26日の採決の後、詳細に意見を述べたいと思います。

 

さて、橋下市長に関してですが、私は彼を評価しています。

政治手法については多少否定的な面もありますが、政治理念、政策実行のスピード感は共に申し分ありません。

ある番組の調査によると、市長就任半年間の彼の評価は、約80%が支持するというものでしたが、おそらく他の調査でも同じような数字になるでしょう。野田首相の支持率が23%だということを考えれば、もの凄い支持率だということが分かります。

何せ、地域政党にも拘らず、大阪維新の会が支持率24%?でトップというのも、いかに既成政党に不満があるかの裏返しです。

 

しかし、私が橋下市長を支持する理由は他にあります。

以前にも書きましたように、私が公人を評価する基準は、あくまでも、

『国士』

つまり、

『国や社会のために命を投げ出す覚悟があるかどうか』

ですので、その基準で言えば、

『良』ということになるのです。

 

ただ、今のところ彼が本物の『国士』であるかどうかまでは見極められていません。ですが、彼が政治の世界へ転身した経緯が経緯だけに、私はそれだけでも評価するに足ると思っているのです。

周知のとおり、橋下市長は大阪府知事の前は弁護士、それもタレント弁護士として人気を博していました。数多くの番組に出演し、年収は2億円とも3億円とも言われていました。あくまでも推測に過ぎませんが、どのように少なく見積もっても、億は下らなかったのは間違いないでしょう。

それが、知事あるいは市長の年収は2千万円前後で、3千万円を大きく下回ります。タレント弁護士時代の、1/5~1/10ということになり、軽く1億円以上の収入減となるのです。当時の彼は、人気絶頂ということもあり、最低でもその後の2,3年は同じような収入が見込まれたはずです。

それを、数億円という金を打ち棄て、何を好んでか、政界へと転身したわけで、この一点をもってしても、少なくとも彼が金銭的な私利私欲で政治家になったのではない、ということは明白でしょう。

方や、国政に目を転じてみて下さい。

以前からそうでしたが、特に昨今の国政の体たらくは、国会議員の誰も彼もが私利私欲と保身に奔っているが原因であり、国家国民のことを考えている政治家など、極々少数になりました。国民の生活が第一、を強調している小沢元代表とそのグループしかりです。

まさに、橋下市長とは雲泥の差です。

 

話は変わりますが、以前原子力政策について、今後最新の原子力発電所を二、三基建設すべきだと言いましたが、その真意を、昨晩の報道ステーションのコメンテーターだった『寺島実郎』が代弁していました。

この寺島実郎とは、これまでほとんど意見の一致を見なかったのですが、珍しくも彼が私と同様の主張をしていたのには驚きました。

彼の、そして私の主張は、簡単に言いますと、原子力技術というのは、もっとも高度な科学技術の一つであり、もし原子力発電所の全廃となると、技術者の海外流出は避けられず、引いては日本の原子力技術の基盤低下に繋がるというものです。

そうなると、今後の世界におけるエネルギー政策に関しての発言力を失うことになりますし、また世界に原発の輸出を目論んでいることとの整合性が取れなくなります。

安全のために、自国では原発を廃止しておきながら、他国へは輸出するのか、という謗りを免れなくなるのです。

さらに、安全のため日本が原発を廃止したとしても、他国がそれに倣う訳ではありません。特に、隣国である中国や韓国が原子力を棄てるはずがありません。

中国は、そうでなくても急速な経済発展を支えるエネルギーの一つとして、原子力は魅力な技術ですし、軍事的にも必須の技術ですから、原発を止めることはありません。

韓国は、とにかく日本に対抗するのが国是のような国ですから、日本が原発から撤退となると、喜々として日本に取って替わろうとするでしょう。

ところが、日本に比べれば二国とも原子力技術は未熟です。現に、韓国はUAE?だったか、トルコ?だったか忘れましたが、国策として原子力発電所開発を落札しておきながら、技術的な部分は全て東芝に丸投げといったレベル技術でしかありません。

このように、日本に比べて未熟な技術で原発を建設し、もし事故でも起きようものなら、日本も害を被ることになるのですから、本末転倒ということになります、。そうであれば、中国や韓国に対して、日本の原発を輸出したり、技術指導したりする方が、安全性からいって、より現実的だと思うのです。

一国平和主義が成り立たないのと同様、一国脱原発もなり立たないのが現状なのです。

政治家や評論家、マスコミはいい加減、ナイーブな議論から脱却すべきと考えます。

そして、さらに私が懸念するのは、この核開発技術力の低下による影響は、原子力産業界に留まらず、日本の外交・防衛にも及ぶということです。

核開発技術と防衛との関係と言うと、すぐに核兵器を結び付けるでしょうが、むろんそれも否定はしませんが、日本の核兵器の開発は非常にハードルが高いので、直接的な影響はあってないようなものです。

それよりも、端的に影響があるのは、原子力潜水艦です。日本は、目下のところ原子力潜水艦は一艦もありません。理由は、通常の潜水艦に比べ、コストが非常に高いからです。ご存知のとおり、日本は武器輸出を禁じているため、商業ベースに乗らず、原子力潜水艦に限らず、戦闘機などの武器全般が、自国生産は高コストになるのです。

戦闘機の場合は、まだその差額が少ないため、一部自国生産をしていますが、原子力潜水艦は歯牙にも掛かっていないのが実情なのです。

しかし、外交カード上も、また産業上もいずれ武器輸出は解禁となるでしょうから、また解禁するべきでしょうから、そのとき原子力潜水艦が自前で建造できるだけの技術力を有していなかければならないのです。

また、この原子力潜水艦は日本の防衛にも大きく寄与します。

中国が空母を建造しているのは知っていると思います。もっとも、ロシアの中古を購入して修理したものですから、純然たる中国製ということにはなりませんが、いずれにせよ中国が本格的に海洋制覇に向け本腰を入れていることは間違いありません。

ちなみに、空母を建造しても、それだけで軍事的なプレゼンスが増すという訳ではありません。戦闘機の着艦には、米軍でさえ事故が絶えないという高度な技術が必要であり、その習得には数年を要するからです。

ともかく、その中国の空母を押さえ込むためにもっとも効果的なのが、原子力潜水艦を尖閣諸島辺りの海洋に潜らせておくことです。

原子力潜水艦は、燃料補給や酸素の補給のために浮上する必要がなく、乗務員の心理的影響などの懸念を除けば、長期間の潜行が可能です。

騒音の問題は残りますが、日本の最先端の技術をもってすれば、それも解決が可能で、そうなると、艦船などによる追尾が困難になり、空母を釘付けにする、つまり無力化することができるのです。

このような理由で、常に世界最高水準の原子力技術を有していることは多いに国益に適うことなのです。

あえて強調します。今の日本の原子力技術は世界最高レベルにあります。ですから、万全の対策を講じれば、少なくとも福島原発の事故のような惨事は起きないということです。

あの不幸な福島原発の事故は、あくまでも技術的な問題ではなく、ひとえに経済産業省、原子力保安員、原子力委員会、東京電力といった、いわゆる原子力村の連中の、怠慢と欺瞞と自己保身と私利私欲に塗れた体質が原因です。

ですから、原子力発電を継続するにしても、今の体制が一新されなければ、同じような事故と惨劇が起こるでしょう。

最後に、私は現在の原子力発電所は時間を掛けて、全て廃炉にすべきと考えています。

そのうえで、新しい政治体制、新しい原発組織の下、入念な活断層の調査をしたうえで、最新の技術を結集した原子力発電所を建設すべきだと思っています。

その際、さらに安全性を高めるために、発電所をドームで囲うべきと考えます。福岡のヤフードームのような開閉式のドームにすれば、開いているときでも、すでに30mぐらいの津波に対応することができ、地震と同時に閉めてしまえば、それ以上の津波にも対応できます。

また、最悪の事態を想定して二重のドーム式にすれば、仮にチェルノブイリのような爆発による炉心溶融が起きても、ドームなので放射能が外に洩れることがありません。

ただ、このドーム型原発は、現在の原発に比べ、一基あたり一千億円以上のコスト高になりますから、一電力会社で保有することは無理ですので、国の所有とすべきでしょうね。

さらに、産業用のロボットの高度化も進め、事故が起きた場合の一次作業は、ロボットで完結出来る目途を付けておく必要もあるでしょう。

 

ロボット技術に関しては、ほんの十年前には、

1に日本、

2に日本、

3,4がなくて、

5にアメリカ

というぐらい日本のロボット技術は先行していました。

ところが、あの福島原発事故の際、フランスのロボットに頼るという醜態をさらけ出してしまいました。

これも、ひとえに経済産業省の怠慢のなせる業です。日本はロボット技術の軍事転用を規制していますから、民生用技術しかなく、肝心のときに役に立たないのです。それでも、今でもロボット技術は世界のトップレベルですから、本気なればロボットの事故処理も可能だと思います。

ついでに言えば、太陽光発電設置量も、ほんの数年前までは、日本は世界首位でしたが、ドイツに抜かれ、スペインにも抜かれ?ました。これも、経済産業省の無策の現れです。

何度も言いますが、バブル崩壊後の20年、日本が不景気から脱しきれないのも、政治家はもちろんのことですが、同様に官僚の責任も大きいのです。

 

怪奇現象

昨日のホテルでの出来事を書いていて、あることを思い出しました。

以前、私には霊能力がなく、霊を見たこともないと書きましたが、一度だけそれらしき現象に遭ったことがあるのです。

 

それは、東京の新宿にあるホテルでのことでした。

その頃は、得意先の近くにあるホテルを定宿にしており、フロントの従業員とも顔見知りになっていました。

 

ある日、急に宿泊することになり、予約をせずにホテルへ向かったのですが、あいにく満室とのことでした。

ただ、フロント係が、

『ちょっと狭いのですが、その部屋で宜しければ、半額の料金で結構です』

と言ったので、私は一も二もなく了承しました。どうせ、一晩だけですから、少々狭くても料金が半額なら・・・・と思ったのです。

 

確かに、その部屋は変わっていました。普通?というか、部屋は廊下を挟んで両側に設計されていると思うのですが、その部屋は廊下の突き当たりにあったのです。通常であれば、非常階段がある場所です。

確かにいつもの部屋より狭かったのですが、不自由というほどでもありませんでした。

その夜も六本木で飲食し、ホテルの部屋に戻ったのは0時過ぎだったと思います。シャワーを浴びて、ベッドに入り、ビールを片手にテレビを見ていたのですが、いつの間にかウトウトとしていました。

 

そのときです。

『ドンドン、ドンドン』

と、扉を叩く音がして、目が覚めたのですが、男性の声で、何か喚いているのです。

英語ではありませんでした。フランス語でもドイツ語でもなく、中国語でも韓国語でもありませんでした。中東のアラビア語か、アフリカの諸国のどこかの言語のようでした。

 

時計を見ると、1時過ぎでした。

私は知人の部屋を間違えているのだと思い、扉の前に立って、日本語で、

『何ですか?』

と言いました。日本語が通じるかどうかは不明でしたが、とにかく声を聞かせれば、間違いだと気付くと思ったのです。

 

ところが、外からの反応がないので、というより何となく、外に人がいる気配がなかったので、覗き穴から外を探ると、やはり誰もいませんでした。部屋は廊下のどん突きにあるわけですから、外はかなり遠くまで見渡せたのですが、人の姿は全くありませんでした。

私は、

『どこかの部屋に入ったのだろう』

と思い、ベッドに戻り、眠りに戻りました。

 

すると、再び、

『ドンドン、ドンドン』

と、扉を叩く音がして、また目が覚めました。そして、やはり理解不能の言葉を喚く声が聞こえました。

私は、

『近くの部屋の誰かが、悪戯しようとして部屋を間違えているのだ』

と思い、フロントに電話して事情を話し、

『このフロアーに外国人は宿泊していないか』

と、訊ねました。

ところが、どうもフロント係の歯切れが悪いのです。戸惑いを見せているような、言い訳をしているような・・・・。

 

しかし、それ以上フロント係を問い詰めても、どうにもならないので、そこで受話器を置きましたが、しばらくすると、今度はフロント係がやって来て、

『部屋を用意しました』

と言うのです。

『確か、満席だったはずでは?』

そう聞き返すと、

『スイート・ルームをお使い下さい』

と神妙な顔付きなのです。

時間を確認すると、3時近くになっていましたので、いまさら部屋を移っても、朝まで4時間ほどの滞在です。

『結構です』

と、私は断りました。

その後は何もなかったのですが、後々になって考えてみたとき、あれは霊現象ではなかったのか、という思いに至ったのです。

その場で、気付いていれば、迷うことなく部屋を移っていたでしょうね。

 

 

一期一会

茶会の心得から、一生に一度限りであることを表す言葉ですが、私とある人物ともこの一期一会の出会いでした。

私が、東京へ出向くことが多かった頃でした。ホテルは永田町近くの『キャピトルホテル・東急』でした。食事は、主にホテル内の寿司屋を利用していたのですが、さすがに場所柄ですね、大臣クラスの議員を何度も見かけました。

ある夜のことでした。いつもは連れがあるのですが、その日は私一人で寿司屋のカウンターに座っていました。珍しいこともあるもので、私以外の客は外国人ばかりでした。

そこへ、見るからに『金持ち』風の中年男性やって来て、左右を見渡すと、一席空けて私の横に座りました。

ちなみに、この頃までの私は、寿司屋でも滅多に寿司を食しませんでした。最後に、巻き物を少々食すだけでした。おかしな話だと思われるでしょうが、漁師の子供として育った私は、毎日三食、新鮮な魚を食していましたので、生簀以外の、すでに捌かれた切り身を食する気にならなかったのです。むろん、新鮮なことは分かっているのですが、生きた魚を目の前で捌かない限り、口に入れる気になりませんでした。

今は、そのような贅沢なことは言ってはおれませんので、もうなんでも食します。

私が鮑やサザエの造りのみを食していることに、興味を持ったのでしょうか、その中年紳士はチラチラと私に視線を送っているようでした。

そして、何度目かのときに、私が横を向いて目と目を合わせると、男性は満を持したかのように、

『あのう、タバコを吸っても良いのでしょうかね?』

と、問い掛けてきました。

私は、カウンターに置いてある灰皿に視線を送り、

『大丈夫でしょう』

と、答えました。

すると、中年紳士は、

『それは分かっているのですが・・・・』

と言って、外国人客らに視線を送ったのです。喫煙に関しては、外国人の方がより敬遠する傾向がありますので、男性はそのことに気を使ったのです。

 

そこで私は、機転を利かし、

『では、私にも1本下さいませんか?』

とタバコを所望して、二人に一緒に吸うことにしたのです。

普段は一切タバコを吸わない私ですが、飲酒したときは稀に吸うことがあります。もっとも、煙を肺まで吸い込むことは無く、口に含むだけですので、手持ち無沙汰を紛らわす小道具といったところでしょうか。

さて、それをきっかけにして話が弾み、男性は身の上話までするようになりました。余談ですが、何の取り得もない私なのに、どうも年長者には好かれる傾向があるようです。性格的に、媚を売ることは無く、それどころか、気後れもせずにズケズケと物を言うことが、却って気に入られたようです。

 

この中年男性にも気に入られたようで、しきりに、

『この後、銀座に飲みに行こう』

と誘われました。

私には、その後の予定が無かったのですが、身の上話から、中年紳士はこの夜、愛人と密会する予定だということを知っていましたので、私は何度も遠慮しました。

 

この中年紳士は、『大手設計事務所』の社長で、一週間に一度、このホテルで愛人と夜を共にしていたのです。まるで、『渡辺淳一』の小説の設定そのものでした。

ともかく、私は気を利かして何度も断ったのですが、あまりにしつこく誘うので、これ以上断ると却って失礼に当たると思い直し、とうとう彼の行き付けのクラブへ同行することにしました。

 

お店では、取り立ててどうこういうことはありませんでしたが、ママの話から、彼は日本でもかなり有名な大手設計事務所の二代目で、相当な資産家だということが分かりました。ですから、中年男性は二十三時頃帰宅しましたが、私は遠慮をすることなく閉店まで飲んでいました。むろん、中年男性との交誼はその夜一度切りでした。

ただ、これだけのことでしたが、私の人生を振り返ったとき、同種のことが多々ありました。私にとっては、まさに一期一会で出逢った人々との縁を大事にしているだけなのですが、周囲の人たちにすれば、たまたま飲食店などで同席になった見知らぬ人と、一言二言言葉を交わすことはあっても、それから銀座のクラブに誘われることなど考えられない、ということだそうです。

 

そうですね、仮に私が騙されていたとしても・・・・・たとえば、男性が料金の支払いを済ませずに帰宅してしまった場合などですが、私は常にそういうケースも想定していて、自腹を切る腹積もり、いやもっと言えば、相手が逃げない場合でも、私が支払う覚悟でいます。だからこそ、思い切った行動を取ったのかもしれません。

 

 

マスメディア批判・その3

あるバラエティ番組で、サッカーW杯・アジア最終予選の3連戦の視聴率が、いずれも30%を超えたことを話題にしていました。確か、今のところ今年の全番組中、1.2.3位を独占したのではないでしょうか。

高視聴率の要因として、誰だったのか聞き逃してしまいましたが、多分制作・放送したテ

レビ朝日の関係者か、または業界の評論家?だと思われる人物は、

『世界の中で日本の地位が低下する中、世界と戦う日本代表が注目されたのでしょう』

と分析していました。

 

『あほか・・・・』

開いた口が塞がらないとは、このことですね。

中国や韓国と違い、現在の日本で、サッカーと国威を結び付ける日本人なんてほとんどいないでしょう。何を『トンチンカン』な解説をしているのだと、呆れてものが言えません。

 

主な、いや圧倒的な理由は、単純に日本が強くなったからでしょう。

正確には、日本がどれくらい強いのか確認したかったからでしょう。

日本は、昨年1月のアジア杯で優勝しましたが、前回は4位に終わったものの、前々回とその前の大会も優勝しています。つまり、この10年ほど、日本はアジアにおいてトップレベルであり続けていたのです。だから、今の日本代表はこれまでと同じくアジアレベルなのか、それともアジアを突き抜けているのかどうか、最終予選で確認したかったのです。

 

もちろん、今の日本代表は過去の日本代表とは全く違います。もはやアジアレベルではなく、欧州の強豪国に近づいています。その証拠が、過去の日本代表に比べ、圧倒的に海外組の質、量が違うことが挙げられます。

香川が、世界のトップ3のクラブに数えられるマンUに移籍することが決まり、長友はビッグクラブであるインテルのレギュラー。内田、岡崎、酒井高は、シャルケ、シュツットガルトというドイツの名門クラブでレギュラーを獲得し、細貝はレバークーゼンという、これまたドイツの強豪にレンタルバックが決まりました。他にも、多数の選手が欧州のクラブで活躍しています。間違いなく、今の日本代表は史上最強の布陣です。

 

そして、もう一つの理由が本田です。

本田は怪我で長らく代表から離れていて、久々の代表合流でした。本田がどのような状態であるのか、また消化試合で、ベストメンバーではなかったものの、3次予選では北朝鮮とウズベキスタンに連敗していたこともあり、ベストメンバーが揃った日本代表がどれくらい強いのか興味があったということでしょう。

 

この3戦を見て確認できたことは、日本代表は豪華な布陣の額面通り、もはやアジアの枠を超え、世界に通用するサッカーをしているということです。この十年余り、アジアでトップレベルにありながら、あれほど得点力不足、決定力不足と言われ続けたことが、嘘のように圧倒的な攻撃力を身に付けました。私はこのチームなら、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、ドイツなどの強豪国と真剣勝負をしても、良い闘いができることを確信しました。

 

おそらく、多くのファンも、最終予選が始まる前から、日本はブラジルW杯でベスト8以上の成績を収められるのではないかと、密かな期待を抱いていたのだと思います。その期待の大きさが視聴率に現れたのでしょう。

これが常識的な理由だと思うのですがね・・・・。

 

分析した人物は、おそらくサッカー界のことを何も分かっていない人間なのだと思いますが、このトンチンカンな分析をそのまま使用する製作者側もどうかと思います。

 

 

もう一つ、TBS系列の『体育会TV』を見ていましたら、松井大輔のことを、

『W杯・南ア大会で日本を初のベスト16進出に導いた立役者』

と、紹介していました。

 

これまた『阿呆』でしょう。

日本はすでに2002年の日韓共催でベスト16に進出しています。

たぶん、

『ホーム以外で・・・・』

という言葉が抜けていたのだと思いますが、これをそのまま放送するとは、いやはや・・・・。

 

そんな重箱の隅を突くようなことを・・・・と思われるかもしれませんが、私はその細かいことが、重要なのだという信念があるのです。

私のスポーツにおける最大の夢は、

『死ぬまでに、日本男子がサッカーW杯で優勝するところを見たい』

というものです。この際、アウェーでも自国開催でも構いません。

 

私は、このW杯で優勝するためには、日本自体のレベルアップが必要だと考えています。

JFA、Jリーグ、JFL、地域リーグ、下部組織、育成制度、高校サッカー、審判、スタジアムなど、サッカー界の努力は当然のことですが、サッカー界以外で、もっとも重要なのが、サポーター、一般ファンとマスメディアのレベルアップだと思っています。

 

スポーツマスメディアのレベルアップなくして、サポーターはともかく、一般のファンのレベルは向上しません。一般のファンのレベルが向上しなければ、疎い目で日本サッカーを見ている、ということになりますから、選手個々のさらなるレベルアップに繋がらないのです。

ブラジルがブラジル足る所以は、ひとえにサポーター&ファンが、熱い愛情を持ちながら、しかしその一方、非常に厳しい目で選手を見ているからです。

 

たとえば、柔道を考えて下さい。

柔道は日本発祥ですから、五輪や世界選手権では、『金』と獲得して当たり前と見なされ、『銀』、『銅』で称賛されません。それだけ日本人は、

『金を取って当たり前』

という感覚があるのです。それが、選手にとっては、異様な『重圧』となる訳ですが、と同時に大きな『励み』や『モチベーション』にもなっているのです。それが、曲がりなりにも、日本柔道の強さの根源です。

 

サッカー界も柔道界のようにならなければなりません。

W杯に出場することが『夢』だった時代から、今や『出場して当たり前』とう時代になりました。

今度は、もう一段上の、

『決勝トーナメントに進出して当たり前』

そして、

『ベスト8に・・・・』、

『ベスト4に・・・・』

というようにステップアップして行かなければなりません。

 

私の見るところ、おそらく選手個々の才能や実力は、それらに見合うものになって行くでしょう。ですから、その才能を開花させ、実力を如何なく発揮させるためには、サポーター&ファンのレベルアップが不可欠で、それにはスポーツマスメディアのレベルアップこそが最も肝要だと思っているのです。

 

私が、微力ながらこのブログ上で、日本サッカーを語り、マスメディアを批判し続けるのは、そういう意味合いもあるのです。

 

 

日本再生論・その4

民主党と自民・公明による、消費税増税法案と社会保障の一体改革法案についての三党合意が成立しましたが、結局茶番劇でしたね。

 

社会保障改革の柱である、後期高齢者医療制度と最低保証年金制度は棚上げ、幼保一体化は廃案となりました。まさに、官僚の思う坪となったわけです。

一方、大騒ぎした大飯原発再稼動問題は、専門技術者による安全確認もないまま、ましてや免震棟と津波に対する防御壁の設置も、2015年の完成予定にも拘わらず、ゴリ押しで再稼動が決定しました。

 

原発に関しては、他にも40年で廃炉という原則を撤回し、例外規定を設けたため、事実上原発はよほどのことが無い限り、半永久的に稼動することになりましたし、さらに原子力規制庁も、当初出向した役人は、元の省庁に戻ることが禁止だったのですが、これまた例外規定が設けられ、骨抜きになりました。これで、原子力規制庁は独立性が保てなくなり、各省庁の『言いなり』となることが決定しました。

 

『日本再生論・その3』

でも書きましたように、全ては官僚の『既得権益と天下りの確保』という論理が罷り通った結果です。今後も、その視点で見ていれば、各法案・各政策の行方は非常に分かり易いことでしょう。

 

注釈をしておきますが、私の言う『官僚』とは、これまでもこの先も、各省庁の主任クラス以上の高級官僚を指し、決して霞ヶ関の国家公務員全員を指している訳ではありません。

 

主任クラスであれば、一応省庁のトップである事務次官を狙えるエリート(本来の意味は違いますが、あえて使用します)中のエリートであり、たとえ頂点である事務次官にはなれなくても、局長、審議官クラス並みぐらいには到達し、退官後は管轄業界に天下って、年俸2,000万円程度、退職金5,000万円程度をもらうことができます。

 

しかも、2、3年で天下りを繰り返すため、天下りだけで収入は軽く3億円を超える者もいるようです。主任クラス以上というのは、政策を決定する権限(本来は国会議員だが、事実上官僚が握っている)がありますから、自分たちの未来、つまり天下って美味しい汁を吸えなくなる政策は、断固握り潰すという訳です。

 

さて、今後の焦点は民主党の小沢元代表の動向となりましたが、どうなることやら・・・・。おそらく、強硬な行動には出ないと思います。つまり、最後まで反対を押し通し、引いては党を割って出ることは無いと思います。

もし、彼が自説を曲げずに、党を割って出るようなことがあれば、私は初めて彼を評価するでしょう。

 

というのも、もし彼が離党すれば、解散・衆議院選挙が早まるからです。自民・公明との合意はあくまでも、消費税増税法案のみですから、以降は法案が全く通らない、つまり国会が機能しなくなりますので、遅くても来年年明けの通常国会冒頭に解散するしかないということになります。

 

その衆議院選挙ですが、自民党の谷垣総裁は、自身の自民党総裁再選の懸念もあり、早期の解散を模索しているようですが、確実に議席の減る民主党は、なるべく遅らせたいようです。まして、『大阪維新の会』を率いる橋下大阪市長の人気を恐れ、『橋下ブーム』が下火になるのを待った方が得策という考えもあるようです。

 

しかし、私はその考えには疑問を覚えます。

まず、目下の橋下人気は、一過性のブームなのでしょうか?

確かに、過去を振り返れば、社会党の『マドンナ旋風』や小泉元首相の『郵政解散』、そして前回衆議院選挙時の『政権交代』と、ブームが席巻しましたが、私は今回の橋下人気はそれらとは違うと考えています。

 

何よりも、自民党による一党独裁が続き、社会の矛盾や閉塞感の原因は、この一党独裁にあると思った国民は、前回の総選挙で政権交代を選択しました。ところが、政権党となった民主党は、閉塞感を打破するどころか、亡国政党だと判明し、その背後には官僚の影がはっきりとしました。

官僚の暗躍については、これまでにも幾度も問題点が指摘されてきましたが、政官財の癒着はあらたまることがなく、国民は政権交代に期待したのですが、今回儚くも裏切らたのです。

 

そして何より、国民の怒りを買った(と、私は思っています)のが、原子力政策と消費税増税でしょう。東京電力への対応、大飯原発の再稼動、一体改革と言いながら、国会議員の定数削減は手付かず、公務員改革は骨抜きの中、消費税増税法案のみが成立となりそうな情勢です。

 

余談ですが、一連の消費税増税法案の取り扱いの推移をみていると、野田首相はあの芸人の『中島知子』より、より強烈なマインド・コントロールをされているとしか思えません。巧妙に洗脳しているのは、もちろん財務省です。

 

こういった情勢下、注目の橋下人気は、一過性のブームなどではなく、政治不信、官僚への不満の表れとみています。したがって、たとえば、橋下市長に何か失点があったとしても、彼の人気は下がるでしょうが、それが自民党や民主党の支持率回復に寄与することは断じてありません。必ずや橋下市長の政策を引き継ぐ人物が登場するでしょう。

すなわち、川の流れと同じで、国家統治の形を変えること、すなわち中央主権から地方分権へ移行する流れは変えることができないということです。

 

しかも、橋下人気が下火になるまで衆議院選挙を先送りしたい、と考えている連中は大きな誤認をしていると私は思います。

たとえば、来年の任期満了まで選挙を先送りして、はたして橋下人気が下火になるでしょうか?とうてい、私はそうは思いません。むしろ、橋本市長に選挙の準備期間を与えるようなものだと思います。

 

考えてみて下さい。

橋下市長は、来るべき衆議院選挙へ向けて、今年の三月に『維新塾』なるものを立ち上げ、立候補者の養成を始めたばかりです。一月に2回程度のペースで講義があるようですので、もし今年の6月に選挙があれば、講義の回数は最大でも僅か8回という、いわば即席培養の立候補者がほとんどだったのです。

これは、対立候補者にすれば、格好の攻撃材料となったはずです。

それが、もし来年の九月まで選挙を先延ばしにすれば、それだけ有能な人材発掘に時間を掛けられるということです。

 

仮に、民主党や自民党などの既成政党には、その間に支持率を挽回する手立てがあるというのでしょうか?そうであれば、選挙を先延ばしする策も分からないでもありませんが、私にはそのような良策があるとは思えません。

 

そこで、今後の政局、選挙の行方を占ってみることにします。もちろん、多分に私の希望的観測が含まれています。

 

ます、民主党は小沢氏が離党しようがしまいが、次の総選挙では、議席が半減するでしょう。もしかしたら、100議席程度に落ち込むかもしれません。

自民党は増減なし、良くて+20議席が精一杯でしょう。つまり、定数480議席のうち、自民党と民主党を合わせても、半数の240議席から300議席というところでしょうから、残りの180議席から240議席が他党ということになります。

 

おそらく、みんなの党以外は多少の増減はあっても、平均すれば横ばいと見ますので、それらを合わせて70議席となります。

みんなの党は、40議席程度に大躍進すると見ていますので、残りの70議席から130議席が、大阪維新の会、愛知の大村知事を中心としたグループ、石原東京都知事の新党絡みの議席となります。

中を取って100議席としておきます。

もっとも、石原都知事が新党を立ち上げれば、既存政党からも議員が流れることになりますから、実際にはもっと増えることになります。

 

 

予想議席数(定員480議席として計算)

自民党     :120~140 -α(石原新党分)

民主党     :120~140

公明党

共産党

国民新党

新党大地・真民主

新党きづな

社民党

立ち上がれ日本

新党日本

無所属

その他を合計して: 70     -α(立ち上がれ日本、国民新党から石原新党へ)

みんなの党   : 40

大阪維新の会他 :130~ 90 +α(上記の-分)

みんなの党と大阪維新の会のグループは、政策が近いので、いずれ合流することになるでしょうから、最終的にこのグループは130~170となり、第一党を形成することになるでしょう。

石原新党分が、多少+αされても、過半数には達しませんから、いずれにせよ自民党、民主党と大阪維新の会のグループがほぼ拮抗した形になると思います。

中国・三国志における諸葛孔明の有名な策、『天下三分の計』であれば、勢力の拮抗は良いことなのでしょうが、目下の情勢ではそういう訳には行きません。

そこで、政界再編か連立の模索となるのですが、私としては政界再編の流れになることを期待しています。

 

次回は、具体的な政界再編の行方と、橋下大阪市長の評価について記したいと思っています。




マドンナ・その5

学校に引き返し、冷静さを取り戻した私は、急に気恥ずかしさを覚えていました。
こうなると、恋には奥手だった私は、とうてい直接告白することなど出来なくなり、結局長文の手紙を書きました。

このブログでも書きましたように、5歳のときの出来事から、小学5年生の再会(私が見ただけですが・・・・)、そして中学時代の失恋、そしてこの手紙を書くきっかけとなった、女子高生からの告白・・・・私は、ありのままを正直に綴りました。

すると、同情したのでしょうね、交際OKの返事が届きました。
私にとっては、初恋の成就ということになるのでしょうか。それはそれは、楽しかったですね。

お互いに部活動をしていなかったので、放課後待ち合わせをし、2時間ぐらいデートをしてから帰宅していました。
しかし卒業後、彼女は都会へ大学進学し、私は浪人生活、結局長距離恋愛となったため、自然消滅しました。

さて、浪人生活の夏でした。私は、ときどき街の県立図書館へ行って勉強していました。
私の病気、つまり引き籠もりですが、正確に言うと、『鬱病』でした。『鬱』の状態と『普通』の状態が定期的に入れ替わるのです。その『鬱』の状態のとき、引き籠もるわけです。
病院で診察を受けましたが、軽い症状だということで、抗鬱剤などの薬は服用していませんでした。

原因は、学校の成績が悪かったことが影響していたようです。
『天才とキチ○イは紙一重』の題のとき書きましたが、私は一年生のとき、学級委員長をしていたように、入学試験の成績は良かったようです。ところが、一年生の後半頃から、授業について行けなくなり、成績は急降下、順位は最後尾から数えた方が早くなって行きました。そういったことが心理的圧迫となっていたようです。

さて、この図書館でちょっとしたハプニングがありました。
ある日、私がいつもの場所で勉強していると、私の肩を叩き、
『安岡君』
と声を掛けてきた者がいたのです。女性の声でした。
驚いて振り向くと、そこにはあの文化祭で私に告白した彼女が立っていたのです。
『え?』
驚きのあまり、私には言葉がありません。ともかく、図書館では他の人の邪魔になりますので、彼女を喫茶店に誘い、ゆっくり話をしました。
それによると、どうやら彼女は地元の、つまりこの街の国立大学に合格し、夏休みの間、この図書館に通って勉強しているということでした。

私は、あの文化祭で彼女の告白を断った以降の経緯について正直に話しました。彼女も付き合っている男性はいないということでした。
もし、これが恋愛小説であれば、ここから二人の間に新たな恋が始まる展開なのでしょうが、現実はそう上手く行きません。
その後も、何度かその図書館で出会い、お茶を一緒し、様々な話をしましたが、ついに恋に発展することはありませんでした。

以上、このシリーズは了とします。
今後は、マドンナ・大学編を予定しています。

 

 

世界大学ランキングとソルボンヌ大学

先日、バラエティ番組を見ていましたら、世界大学ランキングを発表していて、それによると、

1位:ケンブリッジ大学(英国)
2位:ハーバード大学(米国)
2位:マサチューセッツ工科大学(米国)

となっていました。
まあ、この手のランキングの選出方法には様々な問題もあり、また考察する機関によって、重点項目が異なるため、順位には変動があるようです。

我が国最高学府である東京大学は、ある研究機関では8位、また別の機関では30位と、その評価の違いに大きな差があるようですので、どれほど信憑性があるかは疑問です。
また、主な選考項目には、ノーベル賞、フランクリン・メダル、ボルツマン・メダル、ディラック賞、キッピング賞等の受賞者数や、研究論文の発表数などもあるようですが、論文は基本的に英語となりますので、日本の学者による論文発表は極端に少なく、いかに東大といえどもランクが下がるようです。

それはともかく、こういう世界の有名大学の名が出ると、私はいつもフランスの『ソルボンヌ大学』を思い出します。
もっとも、実際は『ソルボンヌ』という名の大学は存在しません。今あるのは『パリ大学』でソルボンヌというのは、12世紀の司祭の名が由来で、いわば旧称あるいは代名詞です。パリ大学の起源はその12世紀まで遡り、オックスフォード大学などと共に欧州最古の部類に入る大学で、創設期は、神学・法学・医学の三つの上級学部で成り立っていました。

なぜ私がソルボンヌ大学の名を思い出すかと言いますと、実は留学しないかという話があったからです。
私は法学部に在籍していましたので、当然法学部への留学だったのですが、今はいざしらず、当時は、
『ソルボンヌ大学の法学部は世界一』
との評価でしたので、私としては逡巡せざるを得ませんでした。

というのも、私が通った大学は関西でもそこそこ有名な私立大学で、前身は法律学校だったということもあり、法学部自体のレベルは高かったのですが、私は出席を取る『語学とゼミ』以外は、全く講義を受けていませんでしたので、成績優秀という訳ではなかったのです。
逆に、それでも単位を落とすこともなかったので、日本の大学のレベルや、推して知るべし、というところなのですが、とにかく『全優』というわけではありませんので、世界一のソルボンヌ大学・法学部への留学など、おこがましいことでした。
ただ、たとえばソルボンヌ大学といえども、日本の東大のように秀才ばかりが集まっているというわけでもないので、留学自体は、それほど難しいことではなかったのかもしれませんが・・・・。

さて、この話は私の師からありました。
師は、このソルボンヌ大学・法学部の博士号を取得されていました。宗教家であり、専攻が中国の思想、哲学を中心とした、いわば文学部でありながら、なぜ法学部の博士号を取得されたかと言いますと、それは私が師と出会う前のことでした。

国名は忘れましたが、師は欧州で行われたある世界学術会議に、日本代表の一員として出席され、基調講演をされたそうです。師が日本団の一員に選ばれたのは、安岡先生の推薦があってのことです。

その基調講演は非常に好評だったらしく、各国の関係者から自国での講演を依頼された師は、予定を変更して、欧州各国を講演して回られたそうです。その中の一つに、『ソルボンヌ大学』があったのです。
その際、経緯は分かりませんが、当時の法学部長と大変懇意になり、酒宴の席で同氏から、
『我が大学には、法律に関して全世界、全年代の文献があるが、唯一中国のある時代の文献だけ無い』
との話を受けた師は、たまたま所有していたその文献を寄贈されたということです。
学部長は大いに感謝し、大学側に働き掛けて、
『名誉博士号』
の贈呈となったのです。
その後、学部長は大学長になりました。
私は、その学長の推薦という形を取って留学する予定になっていたのです。しかも、寄宿先はその学長の自宅ということまで決まっていました。

しかし、この話は実現しませんでした。
私が大学4回生の暮れ、突如父が、
『食道静脈瘤破裂』
で倒れ、生死の境をさまよったのです。幸い、一命は取り留めましたが、この病気は肝機能の低下が原因でしたので、いつまた再発するか分からず、その際は命の保証がないということでした。実際、そのときは運良く助かりましたが、命を落とすことも多い病気です。

あの石原裕次郎は、
『動脈瘤破裂』
でしたから、父よりさらに命を落とす危険が高かったわけですが、静脈といえども、有名人が何人も亡くなっていると思います。
ともかく、父がそうなってしまってはどうにもなりません。留学は2年なのか4年になるのかも分かりませんし、そうなると父の死に目に会えないかもしれないのです。

私は、留学の件を両親に話していませんでした。正月の帰省のときに伝えるつもりだったのです。
これが運命を分けたのかもしれませんね。もし、事前に両親の耳に入れていれば、きっと留学を勧めていたことでしょう。私は熟慮の末、一存で留学の話を断りました。
こう言うと、なんだか親想いの息子のように写りますが、実は学力不足の懸念とは別の、もう一つの重大な理由があって、私は留学の勧めがあって以来、ずっと受けるかどうか迷い、悩み続けていたのです。
父の急病は、そのような私に留学辞退を決断させる決定的な要因となったわけですから、案外天の声だったのかもしれません。

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