日本再生論・その3

『日本再生論・その3』

 

大飯原発3、4号機の再稼動が決定しました。

マスコミ、テレビ番組では大騒ぎをしていますが、私に言わせれば、何をいまさらという感じですね。

こんなのは規定路線であり、端から決まっていたことで、大飯原発だけでなく、今後もう一度福島原発のような大事故でもない限り、既存の原発の大半は再稼動することになるでしょう。

 

テレビ番組では、最後の最後に渋々容認に転じた、橋下大阪市長や関西広域連合の首長らを批判するコメントが多いようですが、本当に的外れの批判です。批判されるべきは、政府、官僚であって間違っても彼らではありません。

あくまでも、再稼動の権限は政府にあるのであって、立地地元の合意さえあれば、再稼動は可能なのです。関西広域連合は、この立地地元を拡大解釈して、周辺地元としての反対姿勢を世論に訴えてきたに過ぎないのですから、政府が再稼動を決定した限りは、なす術はありません。

 

それでも最後まで反対し続けろ、なんて言うのは火の届かない安全なところで騒いでいる無責任な野次馬に過ぎません。

関西広域連合は、政府と官僚の横暴を浮き彫りにしただけでも、彼らの役目を果たしたと言えるでしょう。

 

さて、大飯原発再稼動について、政府や関西電力は再稼動の理由を色々述べています。

電力需給の逼迫と代替エネルギーの高コスト化による電気料金の値上げ、計画停電による中小企業の業績悪化と産業の空洞化・・・・。

正確なデータを公開せず、自分たちに都合の良い解釈ばかりをして、ずいぶん面の厚いことだと辟易しますが、しかしながら、あながち間違いでもありません。

正論の部分が多いと思います。

 

しかし、これらの理由ならば、なぜまず、

今後30年間の長期展望に立ち、原子力政策を維持するのか、代替エネルギーに転換するのかを決定しないのでしょうか。

この議論は全く置き去りにされています。つまりは、原子力政策は無条件に現状維持なのです。

 

なぜか?

理由は簡単です。経済産業省=官僚の天下りの確保のためです。

これが最大の理由です。

全国の電力各社、原子力安全委員会、原子力保安員・・・・いわゆる『原子力村』と呼ばれる一種の聖域には、年間数千億円という予算が付けられています。天下りポストはいったいどれくらいあるのか見当も付きません。

数十なのか、数百なのか・・・・正確な実態はわかりませんが、もし原発廃止となれば、これら天下りポストは全て無くなる訳ですから、自分たちの米櫃を失う事になるわけです。

 

代替エネルギー政策に転換しても、また一から今の原子力村のような天下りシステムを作り上げなければなりませんし、世論の批判があれば、作れなくなる可能性だってあるわけですから、経済産業省がそのような選択をするはずがないのです。

 

そんな馬鹿な、いくらなんでもそのような理由で・・・・。と思われるでしょうが、私はこれが真実だと断言します。

 

原子力政策に限らず、現在の全ての政策は、

官僚の規制という権力が確保されるか、されないか、

且つ天下りが確保されるか、されないか、

によって、実行されるか、されないか決しているのです。

 

そういう目で見て下さい。

原子力の他、地方分権、TPP、公務員改革、幼保合併、整備新幹線、ダム事業、高速道路事業・・・・・全て納得がいくでしょう。

過去に遡っても、郵政民営化、道路公団民営化も骨抜きになっているのは、それが理由です。

 

第一、本来であれば、東京電力は日本航空のように破綻処理されるべきで、政府も一旦はその意向でしたが、経済産業省の強烈な反対にあって、翻意せざるを得ませんでした。

では、東京電力とどう違うのか?天下りのポストの数が圧倒的に違うのです。

 

今や官僚は、国民に眼を向けてなどいません。

1に省益(規制特権)

2に私利私欲(天下り)

3,4がなくて、

5にアメリカ

さらに言えば、

6に中国

7に韓国

8,9がなくて

10にようやく日本国民

です。残念ながら、これが実情です。

 

なぜこうなったかと言いますと、明治以来の『中央集権体制』が今日まで続いたからです。

たしかに明治維新と終戦直後は、この中央集権体制は非常に効率的でした。だからこそ、開国して僅か数十年で、欧米列強に追い付いたのであり、戦後数十年で世界に冠たる経済大国になったのです。

しかし、この成功体験から抜け切れない、また戦後復興の目的を達成し、目的を失った官僚たちは、しだいに組織防衛にのみ汲々となり、天下国家より省益を優先する輩に成り下がってしまったのです。

 

そういう意味では、石原都知事や橋下市長の言うように、中央集権から地方分権への移行は正論なのですが、しかし私は、セーフティネット無き地方分権には反対です。

なぜなら、無策なままの官僚叩きは国力を下げるからです。

官僚たちはこのことを十分承知していて、世間の批判も何処吹く風と受け流しているのです。政治家は、絶対に自分たちの領域を侵すことはないと高を括っているのです。

 

日本の官僚組織は行政機関でありながら、日本最大のシンクタンクでもあります。そして、残念ながら、今の日本には官僚組織に替わるこれといったシンクタンクがありません。民間には銀行や証券会社系列のシンクタンク(○○総合研究所なるもの)がありますが、こんなものは何の足しにもなりません。官僚組織の1/100の力も無いでしょう。

 

霞ヶ関こそが、日本最大の政策決定機関であり、唯一のシンクタンクなのです。

 

民主党が、『官僚主導から政治主導へ』という看板を掲げて選挙し、政権を取りましたが、いざ政権運営する段になると、官僚たちの露骨なサボタージュに遭って、にっちもさっちも行かなくなり、結局官僚に丸め込まれてしまったのです。

行政改革をすれば、16兆円ほど埋蔵金があると言っていましたが、官僚に屈してしまったため、当てがなくなった政権は、財務省の言いなりで消費税を上げようとしているのです。

 

自民党時代は、良いか悪いか別として、いわゆる『族議員』という、それぞれの分野のエキスパートがいましたから、官僚側に一定の歯止めが掛かりましたが、民主党になってからは、皆素人集団ですから、官僚にしてみれば、赤子の手を捻るようなものなのです。

 

官僚は、

『もし公務員改革をすれば、官僚に魅力を感じなくなった有能な人材が民間や国外に流れてしまう。それはすなわち、国力の低下に繋がる』

と言って、いわば政府を脅しています。

実はこれも正論なのです。

 

一部には、

『いかに優秀な人材でも、天下国家を考えない人間より、多少能力は劣っても、国家国民に尽くす人材の方がましだ』

と反論する人もいますが、これは一見正論のようで、実は暴論です。

いくら愛国心があっても、能力が劣っている人間に国を任せられるわけがないでしょう。この国で最も有能で且つ愛国心のある人材達が国を運営するべきなのです。以前にも述べた真のエリート、国士です。

官僚側から、このように脅しを掛けられ、時の政権はやむなく行政改革を断念するしかなかったというのが過去の歴史でした。

 

ではどうすれば良いのか?

時間を掛けるのであれば、真のエリート教育が必要なのですが、そのような悠長なことは言っておられません。

 

そこで、いま政権内には『国家戦略会議』という組織があります。有名無実化していますが・・・・。

新政権は、早急にこの国家戦略会議の拡大版を作ることです。

500名の有識者+5,000名のスタッフ、合計5,500名の組織です。全員契約社員で毎年更新します。

年俸は、有識者が5,000万円、スタッフが平均1,000万円。

必要経費を含めて年間経費1兆円から1.5兆円の組織です。この組織で、全ての国家戦略の政策を立案し、立法化して政府に提言します。

 

有識者は幅広い分野から公募します。政治家(国、地方)、経済界、大学教授、評論家、法律家、現役官僚、(若手はまだ有望なのが多い)・・・・500名ぐらいすぐに集まると思います。これがセーフティネットです。

 

この組織を整備した上で、大胆な公務員改革に着手します。

  1. 課長職以上は政府任用とし、契約雇用とする。
  2. 課長職以上の定年制を廃止。
  3. 公務員処罰法の制定。(エイズ、C型肝炎等、無作為の罪を厳格にする)
  4. 天下り法人に対する事業契約の停止。(民間、政府系企業共、徐々に減らして推移をみる。本当に必要な特殊法人のみ存続)
  5. 公務員給与と民間給与との連動。(課長職以下の職員の給与は、民間の平均給与の95%とする。五年くらい掛けて徐々に処置する)
  6. 国家、地方公務員の数を30%削減。(10年時間を掛ける)

 

この改革をすれば、正確にはわかりませんが、少なくとも新しい組織に掛かる1.5兆円など物の数ではありません。

いわば、官僚組織に対するライバル組織ができるわけですから、互いに緊張感もあり、切磋琢磨することでしょう。

 

実は、官僚はこのような改革こそが一番嫌なことであり、だからこそやる価値があるわけです。

 

最後に、私は現在の原子力政策は見直す必要があり、代替エネルギーの見通しが付くのであれば、今の原発は全廃した方が良いと思っていますが、しかしそれとは別に、最新の原発を2基か3基建設すべきと思っています。

むろん、立地条件、安全設備を何重にも考慮した上で、です。

 

理由は、電力の問題ではありません。

原子力は、外交、防衛、経済の有力なカードになりますので、是非にも保有しておきたいのです。

詳細は、次の機会にします。

 

 

 

 

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