マドンナ・その5

学校に引き返し、冷静さを取り戻した私は、急に気恥ずかしさを覚えていました。
こうなると、恋には奥手だった私は、とうてい直接告白することなど出来なくなり、結局長文の手紙を書きました。

このブログでも書きましたように、5歳のときの出来事から、小学5年生の再会(私が見ただけですが・・・・)、そして中学時代の失恋、そしてこの手紙を書くきっかけとなった、女子高生からの告白・・・・私は、ありのままを正直に綴りました。

すると、同情したのでしょうね、交際OKの返事が届きました。
私にとっては、初恋の成就ということになるのでしょうか。それはそれは、楽しかったですね。

お互いに部活動をしていなかったので、放課後待ち合わせをし、2時間ぐらいデートをしてから帰宅していました。
しかし卒業後、彼女は都会へ大学進学し、私は浪人生活、結局長距離恋愛となったため、自然消滅しました。

さて、浪人生活の夏でした。私は、ときどき街の県立図書館へ行って勉強していました。
私の病気、つまり引き籠もりですが、正確に言うと、『鬱病』でした。『鬱』の状態と『普通』の状態が定期的に入れ替わるのです。その『鬱』の状態のとき、引き籠もるわけです。
病院で診察を受けましたが、軽い症状だということで、抗鬱剤などの薬は服用していませんでした。

原因は、学校の成績が悪かったことが影響していたようです。
『天才とキチ○イは紙一重』の題のとき書きましたが、私は一年生のとき、学級委員長をしていたように、入学試験の成績は良かったようです。ところが、一年生の後半頃から、授業について行けなくなり、成績は急降下、順位は最後尾から数えた方が早くなって行きました。そういったことが心理的圧迫となっていたようです。

さて、この図書館でちょっとしたハプニングがありました。
ある日、私がいつもの場所で勉強していると、私の肩を叩き、
『安岡君』
と声を掛けてきた者がいたのです。女性の声でした。
驚いて振り向くと、そこにはあの文化祭で私に告白した彼女が立っていたのです。
『え?』
驚きのあまり、私には言葉がありません。ともかく、図書館では他の人の邪魔になりますので、彼女を喫茶店に誘い、ゆっくり話をしました。
それによると、どうやら彼女は地元の、つまりこの街の国立大学に合格し、夏休みの間、この図書館に通って勉強しているということでした。

私は、あの文化祭で彼女の告白を断った以降の経緯について正直に話しました。彼女も付き合っている男性はいないということでした。
もし、これが恋愛小説であれば、ここから二人の間に新たな恋が始まる展開なのでしょうが、現実はそう上手く行きません。
その後も、何度かその図書館で出会い、お茶を一緒し、様々な話をしましたが、ついに恋に発展することはありませんでした。

以上、このシリーズは了とします。
今後は、マドンナ・大学編を予定しています。

 

 

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