マスメディア批判・その3

あるバラエティ番組で、サッカーW杯・アジア最終予選の3連戦の視聴率が、いずれも30%を超えたことを話題にしていました。確か、今のところ今年の全番組中、1.2.3位を独占したのではないでしょうか。

高視聴率の要因として、誰だったのか聞き逃してしまいましたが、多分制作・放送したテ

レビ朝日の関係者か、または業界の評論家?だと思われる人物は、

『世界の中で日本の地位が低下する中、世界と戦う日本代表が注目されたのでしょう』

と分析していました。

 

『あほか・・・・』

開いた口が塞がらないとは、このことですね。

中国や韓国と違い、現在の日本で、サッカーと国威を結び付ける日本人なんてほとんどいないでしょう。何を『トンチンカン』な解説をしているのだと、呆れてものが言えません。

 

主な、いや圧倒的な理由は、単純に日本が強くなったからでしょう。

正確には、日本がどれくらい強いのか確認したかったからでしょう。

日本は、昨年1月のアジア杯で優勝しましたが、前回は4位に終わったものの、前々回とその前の大会も優勝しています。つまり、この10年ほど、日本はアジアにおいてトップレベルであり続けていたのです。だから、今の日本代表はこれまでと同じくアジアレベルなのか、それともアジアを突き抜けているのかどうか、最終予選で確認したかったのです。

 

もちろん、今の日本代表は過去の日本代表とは全く違います。もはやアジアレベルではなく、欧州の強豪国に近づいています。その証拠が、過去の日本代表に比べ、圧倒的に海外組の質、量が違うことが挙げられます。

香川が、世界のトップ3のクラブに数えられるマンUに移籍することが決まり、長友はビッグクラブであるインテルのレギュラー。内田、岡崎、酒井高は、シャルケ、シュツットガルトというドイツの名門クラブでレギュラーを獲得し、細貝はレバークーゼンという、これまたドイツの強豪にレンタルバックが決まりました。他にも、多数の選手が欧州のクラブで活躍しています。間違いなく、今の日本代表は史上最強の布陣です。

 

そして、もう一つの理由が本田です。

本田は怪我で長らく代表から離れていて、久々の代表合流でした。本田がどのような状態であるのか、また消化試合で、ベストメンバーではなかったものの、3次予選では北朝鮮とウズベキスタンに連敗していたこともあり、ベストメンバーが揃った日本代表がどれくらい強いのか興味があったということでしょう。

 

この3戦を見て確認できたことは、日本代表は豪華な布陣の額面通り、もはやアジアの枠を超え、世界に通用するサッカーをしているということです。この十年余り、アジアでトップレベルにありながら、あれほど得点力不足、決定力不足と言われ続けたことが、嘘のように圧倒的な攻撃力を身に付けました。私はこのチームなら、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、ドイツなどの強豪国と真剣勝負をしても、良い闘いができることを確信しました。

 

おそらく、多くのファンも、最終予選が始まる前から、日本はブラジルW杯でベスト8以上の成績を収められるのではないかと、密かな期待を抱いていたのだと思います。その期待の大きさが視聴率に現れたのでしょう。

これが常識的な理由だと思うのですがね・・・・。

 

分析した人物は、おそらくサッカー界のことを何も分かっていない人間なのだと思いますが、このトンチンカンな分析をそのまま使用する製作者側もどうかと思います。

 

 

もう一つ、TBS系列の『体育会TV』を見ていましたら、松井大輔のことを、

『W杯・南ア大会で日本を初のベスト16進出に導いた立役者』

と、紹介していました。

 

これまた『阿呆』でしょう。

日本はすでに2002年の日韓共催でベスト16に進出しています。

たぶん、

『ホーム以外で・・・・』

という言葉が抜けていたのだと思いますが、これをそのまま放送するとは、いやはや・・・・。

 

そんな重箱の隅を突くようなことを・・・・と思われるかもしれませんが、私はその細かいことが、重要なのだという信念があるのです。

私のスポーツにおける最大の夢は、

『死ぬまでに、日本男子がサッカーW杯で優勝するところを見たい』

というものです。この際、アウェーでも自国開催でも構いません。

 

私は、このW杯で優勝するためには、日本自体のレベルアップが必要だと考えています。

JFA、Jリーグ、JFL、地域リーグ、下部組織、育成制度、高校サッカー、審判、スタジアムなど、サッカー界の努力は当然のことですが、サッカー界以外で、もっとも重要なのが、サポーター、一般ファンとマスメディアのレベルアップだと思っています。

 

スポーツマスメディアのレベルアップなくして、サポーターはともかく、一般のファンのレベルは向上しません。一般のファンのレベルが向上しなければ、疎い目で日本サッカーを見ている、ということになりますから、選手個々のさらなるレベルアップに繋がらないのです。

ブラジルがブラジル足る所以は、ひとえにサポーター&ファンが、熱い愛情を持ちながら、しかしその一方、非常に厳しい目で選手を見ているからです。

 

たとえば、柔道を考えて下さい。

柔道は日本発祥ですから、五輪や世界選手権では、『金』と獲得して当たり前と見なされ、『銀』、『銅』で称賛されません。それだけ日本人は、

『金を取って当たり前』

という感覚があるのです。それが、選手にとっては、異様な『重圧』となる訳ですが、と同時に大きな『励み』や『モチベーション』にもなっているのです。それが、曲がりなりにも、日本柔道の強さの根源です。

 

サッカー界も柔道界のようにならなければなりません。

W杯に出場することが『夢』だった時代から、今や『出場して当たり前』とう時代になりました。

今度は、もう一段上の、

『決勝トーナメントに進出して当たり前』

そして、

『ベスト8に・・・・』、

『ベスト4に・・・・』

というようにステップアップして行かなければなりません。

 

私の見るところ、おそらく選手個々の才能や実力は、それらに見合うものになって行くでしょう。ですから、その才能を開花させ、実力を如何なく発揮させるためには、サポーター&ファンのレベルアップが不可欠で、それにはスポーツマスメディアのレベルアップこそが最も肝要だと思っているのです。

 

私が、微力ながらこのブログ上で、日本サッカーを語り、マスメディアを批判し続けるのは、そういう意味合いもあるのです。

 

 

*

Copyright © All Rights Reserved · Green Hope Theme by Sivan & schiy · Proudly powered by WordPress