橋下徹・大阪市長と原子力政策

国政が一気に混沌としてきました。

私はまだ懐疑的なのですが、予想に反して、どうやら小沢元代表が民主党を離党し、新党を立ち上げそうな情勢です。

鍵は、造反組が54名を超えるかどうかですが、この話題については26日の採決の後、詳細に意見を述べたいと思います。

 

さて、橋下市長に関してですが、私は彼を評価しています。

政治手法については多少否定的な面もありますが、政治理念、政策実行のスピード感は共に申し分ありません。

ある番組の調査によると、市長就任半年間の彼の評価は、約80%が支持するというものでしたが、おそらく他の調査でも同じような数字になるでしょう。野田首相の支持率が23%だということを考えれば、もの凄い支持率だということが分かります。

何せ、地域政党にも拘らず、大阪維新の会が支持率24%?でトップというのも、いかに既成政党に不満があるかの裏返しです。

 

しかし、私が橋下市長を支持する理由は他にあります。

以前にも書きましたように、私が公人を評価する基準は、あくまでも、

『国士』

つまり、

『国や社会のために命を投げ出す覚悟があるかどうか』

ですので、その基準で言えば、

『良』ということになるのです。

 

ただ、今のところ彼が本物の『国士』であるかどうかまでは見極められていません。ですが、彼が政治の世界へ転身した経緯が経緯だけに、私はそれだけでも評価するに足ると思っているのです。

周知のとおり、橋下市長は大阪府知事の前は弁護士、それもタレント弁護士として人気を博していました。数多くの番組に出演し、年収は2億円とも3億円とも言われていました。あくまでも推測に過ぎませんが、どのように少なく見積もっても、億は下らなかったのは間違いないでしょう。

それが、知事あるいは市長の年収は2千万円前後で、3千万円を大きく下回ります。タレント弁護士時代の、1/5~1/10ということになり、軽く1億円以上の収入減となるのです。当時の彼は、人気絶頂ということもあり、最低でもその後の2,3年は同じような収入が見込まれたはずです。

それを、数億円という金を打ち棄て、何を好んでか、政界へと転身したわけで、この一点をもってしても、少なくとも彼が金銭的な私利私欲で政治家になったのではない、ということは明白でしょう。

方や、国政に目を転じてみて下さい。

以前からそうでしたが、特に昨今の国政の体たらくは、国会議員の誰も彼もが私利私欲と保身に奔っているが原因であり、国家国民のことを考えている政治家など、極々少数になりました。国民の生活が第一、を強調している小沢元代表とそのグループしかりです。

まさに、橋下市長とは雲泥の差です。

 

話は変わりますが、以前原子力政策について、今後最新の原子力発電所を二、三基建設すべきだと言いましたが、その真意を、昨晩の報道ステーションのコメンテーターだった『寺島実郎』が代弁していました。

この寺島実郎とは、これまでほとんど意見の一致を見なかったのですが、珍しくも彼が私と同様の主張をしていたのには驚きました。

彼の、そして私の主張は、簡単に言いますと、原子力技術というのは、もっとも高度な科学技術の一つであり、もし原子力発電所の全廃となると、技術者の海外流出は避けられず、引いては日本の原子力技術の基盤低下に繋がるというものです。

そうなると、今後の世界におけるエネルギー政策に関しての発言力を失うことになりますし、また世界に原発の輸出を目論んでいることとの整合性が取れなくなります。

安全のために、自国では原発を廃止しておきながら、他国へは輸出するのか、という謗りを免れなくなるのです。

さらに、安全のため日本が原発を廃止したとしても、他国がそれに倣う訳ではありません。特に、隣国である中国や韓国が原子力を棄てるはずがありません。

中国は、そうでなくても急速な経済発展を支えるエネルギーの一つとして、原子力は魅力な技術ですし、軍事的にも必須の技術ですから、原発を止めることはありません。

韓国は、とにかく日本に対抗するのが国是のような国ですから、日本が原発から撤退となると、喜々として日本に取って替わろうとするでしょう。

ところが、日本に比べれば二国とも原子力技術は未熟です。現に、韓国はUAE?だったか、トルコ?だったか忘れましたが、国策として原子力発電所開発を落札しておきながら、技術的な部分は全て東芝に丸投げといったレベル技術でしかありません。

このように、日本に比べて未熟な技術で原発を建設し、もし事故でも起きようものなら、日本も害を被ることになるのですから、本末転倒ということになります、。そうであれば、中国や韓国に対して、日本の原発を輸出したり、技術指導したりする方が、安全性からいって、より現実的だと思うのです。

一国平和主義が成り立たないのと同様、一国脱原発もなり立たないのが現状なのです。

政治家や評論家、マスコミはいい加減、ナイーブな議論から脱却すべきと考えます。

そして、さらに私が懸念するのは、この核開発技術力の低下による影響は、原子力産業界に留まらず、日本の外交・防衛にも及ぶということです。

核開発技術と防衛との関係と言うと、すぐに核兵器を結び付けるでしょうが、むろんそれも否定はしませんが、日本の核兵器の開発は非常にハードルが高いので、直接的な影響はあってないようなものです。

それよりも、端的に影響があるのは、原子力潜水艦です。日本は、目下のところ原子力潜水艦は一艦もありません。理由は、通常の潜水艦に比べ、コストが非常に高いからです。ご存知のとおり、日本は武器輸出を禁じているため、商業ベースに乗らず、原子力潜水艦に限らず、戦闘機などの武器全般が、自国生産は高コストになるのです。

戦闘機の場合は、まだその差額が少ないため、一部自国生産をしていますが、原子力潜水艦は歯牙にも掛かっていないのが実情なのです。

しかし、外交カード上も、また産業上もいずれ武器輸出は解禁となるでしょうから、また解禁するべきでしょうから、そのとき原子力潜水艦が自前で建造できるだけの技術力を有していなかければならないのです。

また、この原子力潜水艦は日本の防衛にも大きく寄与します。

中国が空母を建造しているのは知っていると思います。もっとも、ロシアの中古を購入して修理したものですから、純然たる中国製ということにはなりませんが、いずれにせよ中国が本格的に海洋制覇に向け本腰を入れていることは間違いありません。

ちなみに、空母を建造しても、それだけで軍事的なプレゼンスが増すという訳ではありません。戦闘機の着艦には、米軍でさえ事故が絶えないという高度な技術が必要であり、その習得には数年を要するからです。

ともかく、その中国の空母を押さえ込むためにもっとも効果的なのが、原子力潜水艦を尖閣諸島辺りの海洋に潜らせておくことです。

原子力潜水艦は、燃料補給や酸素の補給のために浮上する必要がなく、乗務員の心理的影響などの懸念を除けば、長期間の潜行が可能です。

騒音の問題は残りますが、日本の最先端の技術をもってすれば、それも解決が可能で、そうなると、艦船などによる追尾が困難になり、空母を釘付けにする、つまり無力化することができるのです。

このような理由で、常に世界最高水準の原子力技術を有していることは多いに国益に適うことなのです。

あえて強調します。今の日本の原子力技術は世界最高レベルにあります。ですから、万全の対策を講じれば、少なくとも福島原発の事故のような惨事は起きないということです。

あの不幸な福島原発の事故は、あくまでも技術的な問題ではなく、ひとえに経済産業省、原子力保安員、原子力委員会、東京電力といった、いわゆる原子力村の連中の、怠慢と欺瞞と自己保身と私利私欲に塗れた体質が原因です。

ですから、原子力発電を継続するにしても、今の体制が一新されなければ、同じような事故と惨劇が起こるでしょう。

最後に、私は現在の原子力発電所は時間を掛けて、全て廃炉にすべきと考えています。

そのうえで、新しい政治体制、新しい原発組織の下、入念な活断層の調査をしたうえで、最新の技術を結集した原子力発電所を建設すべきだと思っています。

その際、さらに安全性を高めるために、発電所をドームで囲うべきと考えます。福岡のヤフードームのような開閉式のドームにすれば、開いているときでも、すでに30mぐらいの津波に対応することができ、地震と同時に閉めてしまえば、それ以上の津波にも対応できます。

また、最悪の事態を想定して二重のドーム式にすれば、仮にチェルノブイリのような爆発による炉心溶融が起きても、ドームなので放射能が外に洩れることがありません。

ただ、このドーム型原発は、現在の原発に比べ、一基あたり一千億円以上のコスト高になりますから、一電力会社で保有することは無理ですので、国の所有とすべきでしょうね。

さらに、産業用のロボットの高度化も進め、事故が起きた場合の一次作業は、ロボットで完結出来る目途を付けておく必要もあるでしょう。

 

ロボット技術に関しては、ほんの十年前には、

1に日本、

2に日本、

3,4がなくて、

5にアメリカ

というぐらい日本のロボット技術は先行していました。

ところが、あの福島原発事故の際、フランスのロボットに頼るという醜態をさらけ出してしまいました。

これも、ひとえに経済産業省の怠慢のなせる業です。日本はロボット技術の軍事転用を規制していますから、民生用技術しかなく、肝心のときに役に立たないのです。それでも、今でもロボット技術は世界のトップレベルですから、本気なればロボットの事故処理も可能だと思います。

ついでに言えば、太陽光発電設置量も、ほんの数年前までは、日本は世界首位でしたが、ドイツに抜かれ、スペインにも抜かれ?ました。これも、経済産業省の無策の現れです。

何度も言いますが、バブル崩壊後の20年、日本が不景気から脱しきれないのも、政治家はもちろんのことですが、同様に官僚の責任も大きいのです。

 

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